MidnightMoon,AfternoonMoon

from sai




MidNightMoon

海が凪ぐ。

潮の満ち引き。

波音。

全ては彼が操作する。


見えない腕で彼を絡め取るのは大地。

ただ寄添うことが彼に出来る唯一であり、

自分の死が大地の絶望を呼ぶことも判っている。

AfternoonMoon

大地の絶望は、水と風の混沌を呼ぶ。

彼の小さな手に守られているのは彼らの方だと、

一体誰が気付けるというのだろう。


全てを壊したいと、

全てを守りたいと、

全てに縛られたいと、

全てから開放されたいと、


平穏と激情を内に秘めた極上の宝石の名は「月」

安息と狂気を孕んだ穏やかな光が、

闇を照らす一筋となる。